《MUMEI》

『夢視様…お城でい
ったい何があったん
ですか?』

心配そうに呟いた。


『うぅっ…やっ…
止めてぇぇー!』

急に魘される様に夢
視が叫び跳ね起きた

『夢視様!』

白は慌てて夢視の身
体を押さえる様に抱
き締めた。


ガタガタと身体を震
わせる夢視を、白は
優しく宥める。


『大丈夫です、僕が
傍にいますから…
もう…怖く無いです
よ…夢視様…』

白は、囁く。
夢視の髪を優しく撫
でながら……


花、特有の癒し効果
が夢視の病んだ精神
を癒していく。


白に抱かれながら夢
視は…暖かさを感じ
ていた。


…血の通った人間が
あんなに冷たかった
のに…

…血の通わぬ植物の
白が、こんなに暖か
いなんて…


……白……

…私の可愛い花!
…大きくなんてな
らなくて良いんだ

…そのまま私の傍
に居て…

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