《MUMEI》 暗い……。 僅かに灯ったランプの明りを頼りに進む。 どうやら俺は、 またこの屋敷の罠にハマり穴に落ちたみたいだ。 着地に失敗して打った腰が痛い。 でも穴は無かった。 何故? だが慌てて首を振った。 と、とにかく出口を探さないと。 次はいつ、どんな罠にハマるか堪ったもんじゃない。 俺は腰を擦りながら少しずつ、 壁伝いに進んで行った。 そうして永遠と続く暗闇を歩いていると、 奇妙な音が聞こえて来た。 『ブモー――――!』 『ブモー――――!』 何だろう? 牛の鳴き声に似ているが、 そんな動物こんな屋敷にいる訳……。 って居たー―――!!! そいつは俺の目の前に立ちはだかる。 眼は赤色。 角は金色で、 クワガタのような形をしている。 全身は真っ黒で、 口元には立派な犬歯が突き出している。 其れだけでも十分普通の生物ではないとわかる。 更に異常なのはその大きさ。 ゆうに全長50メートルはあるだろう。 そしてまた更に、 そいつはしゃべった。 前へ |次へ |
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