《MUMEI》
ある意味、ホラー…
.

彼らが行ってしまってから、

ナベちゃんはベッドの方へ視線を向ける。


「やんちゃも大概にしろよ」


わたしにそう言って、呆れたようにため息をついた。

わたしはゆっくり身体を起こして、伸びをする。


「助かったぁ〜!先生、ありがとう」


素直にお礼を述べると、ナベちゃんはチッと舌打ちをして、面倒かけんな、とぼやいた。

わたしは呑気な声で、はぁ〜い☆と返事をして、ベッドから抜けだそうとしたとき、


…………腕を掴まれた。


わたしはビビって自分の手元を見ると、


まるでホラー映画のワンシーンのように、

白い布団の中から、たくましい腕が伸びていて、

その手がわたしの手首を、しっかり握りしめていた。



わたしは、固まる。





「…………ギッ!!


ギャーーーーーーーッ!!!」





心の中で叫んだつもりが、うっかり声に出てしまった。

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