《MUMEI》 . わたしの断末魔の悲鳴のような大声に、ナベちゃんは顔をしかめる。 「なんつー声だしてんだよッ!!」 喧しいヤツだなッ!!と怒鳴られた。 わたしは半泣きになりながら、ナベちゃんに目配せをする。 「て、ててて、手がッ!!手がぁッ!!」 だれかさんみたいにドモリながら、恐怖を訴えると、 ナベちゃんは、ごく平然とした様子で言ってのけた。 「いい加減、出てこい。気味悪ぃから」 ……………は?? わたしがキョトンとしていると、 不意に布団がもぞもぞと動いた。 ビックリして、振り返る。 その布団の中から、 ひょっこり覗かせた顔に、 わたしは、たまげた。 「義仲ッ!?」 布団の中に潜り込んで、わたしの手首を握ったのは、義仲だった。 . 前へ |次へ |
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