《MUMEI》 リフレイン. そこまで考えて、 川崎先生の言葉を、思い出してしまった。 −−−…これ以上関わることはもう、ゆるさない。 あの台詞が、なぜかわたしの心をがんじがらめにして、身動きを取れなくさせていた。 わたしは、なにも言わずに義仲から目を逸らしたとき、 手首を握る、義仲の手に、キュッと力が込められたのを感じて、 わたしはハッとし、義仲の顔を見つめた。 彼は、とてもにこやかにほほ笑んで、尋ねる。 「さっきのヤローたちは、一体、なに?」 『ヤローたち』というのは、たぶんあの3年男子たちのことだろう。義仲は、やっぱり聞いていたのだ。 不思議なことに、義仲の表情はすごく柔和なものであるのに、 その抑揚は、どこか冷め切ったものだった。 怒っていると、すぐにわかる。 . 前へ |次へ |
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