《MUMEI》

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心の奥まで染み入るようなその声に、

わたしの唇が、震えた。


「な、なにって………」


ぽつんと呟いてから、わたしは義仲の襟首を掴み、噛み付くような勢いで詰め寄った。


「あんたが、わたしにちょっかい出すから、掲示板にヘンな書き込みされたり、バカなオトコたちに襲われたり、大変だったんだからねッ!!」


わーーーッ!とまくし立てたわたしに、義仲は気圧されたようだったが、わたしから目を逸らすことはしなかった。

いたたまれなくなったわたしは、彼から目を逸らし、顔を俯かせて、言葉をつづける。


「わたし、なにもしてないのに…みんな、カンペキ誤解してるし。川崎先生にもイヤミ言われちゃうし。わたし…わたし、どうしたら…」


泣き出しそうになりながら、そこまで言ったとき、


「璃子ちゃん」


凜とした声で、義仲がわたしを呼んだ。わたしがハッとして顔をあげると、


義仲の、きれいなほほ笑みが、そこにあった。


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