《MUMEI》
先輩の本性
.

その彼の横顔が、

とても寂しげに見えて、

でも、わたしは、やっぱり、

なにも声をかけられなかった………。





******





−−−明くる日。





学校に登校したわたしは、昇降口で予想外のひとと出くわした。

スラリとした長身。ノーブルな顔立ち。真面目そうな印象を受ける、そのひとは……。



…………松本先輩ッ!!



わたしは彼の姿を見つけて、少しうろたえた。



…………気まずいなー。


フラれたばっかだし、あの貼紙のこともあるし。



わたしは俯いて、顔を隠しながらコソコソ自分の下駄箱へ向かったのだが、

松本先輩は目ざとくわたしを見つけた。


「片倉さん!」


名前を呼ばれて、わたしはビクリと肩を揺らす。



…………ゲッ!!


見つかった!



.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫