《MUMEI》 . 恐る恐る顔をあげて先輩を見ると、 彼も露骨にイヤそうな顔をして、わたしを見ていた。 わたしは目を合わせないようにしながら、おはようございます…と小さな声で挨拶すると、先輩も、おはよう…と返してきた。 そして、深いため息をつく。 「朝から会うなんて、ツイてない」 平然とイヤミを言ってきた。わたしは顔をあげて、眉をひそめる。 先輩は難しい顔をして、つづけた。 「あの貼紙のおかげで、迷惑してるんだよ。みんなからいろいろ聞かれるしさ。こっちはイメージ、丸つぶれだ」 冗談じゃないよ、と先輩は、苛立たしそうにため息をついた。 …………なに、その言い方! わたしだけ、悪者みたいじゃないッ! 松本先輩の心ない言葉にムカついて、わたしは彼を睨みつけた。 「わたしだって、あんなこと書かれて迷惑してるんですよ」 そう言い返すと、先輩は眉をひそめて、なに言ってるんだよ…と呟いた。 「君と僕じゃ立場が違うんだ。次の生徒会選挙に影響したら、どうしてくれるんだよ?」 …………はぁ?? 選挙??なにそれ?? 自分のことばっかりじゃん!? . 前へ |次へ |
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