《MUMEI》 . わたしはホトホト呆れて言葉が出てこなかった。 先輩は、まったく!と呟いてから、忌ま忌ましそうに腕を組んだ。 「…最近、ヘンな嫌がらせがなくなったと思ったのに、次はこの騒ぎだろ?いい加減、ウンザリするよ」 ブツブツとつづけたその言葉に、わたしは食いつく。 「…嫌がらせ?」 なんですか?と尋ねると、先輩は肩をすくめた。 「…中等部の頃からかな。だれからなのかわからないけれど、毎朝、下駄箱に手紙が入っていたり、携帯に無言電話がかかってきたり。あげくに、自宅まで手紙やプレゼントが送られてきたりさ。気が触れるかと思ったよ」 わたしは驚いた。 …………下駄箱に手紙、 無言電話、自宅にプレゼント? . 前へ |次へ |
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