《MUMEI》 . わたしの声に、物騒なこと言わないでくれ、と先輩は眉をひそめた。 「ただの嫌がらせだろ。おおかた、選挙に落ちただれかが僕を恨んで…」 先輩の的外れな返事に、わたしは目眩がした。違いますよ!と意気込む。 「そんなんじゃないですよ!絶対、それストーカーですって!!」 大声で否定したものだから、周りにいた生徒たちがわたし達をジロジロ見つめてきた。 その視線を気にしたのだろう。松本先輩は声をひそめて、わたしに言った。 「そんな話はどうでもいい。とにかく、金輪際、僕には関わらないでくれよ」 ぼそぼそ聞き取りづらい声で、早口に言うと、わたしを残して、先輩はさっさと歩き出した。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |