《MUMEI》 . ………そういうことか。 低い声で呟くと、昌平はキョトンとして、なに?と尋ねてきた。 わたしは間抜けな昌平の顔を見つめ返して、教室行くよ!と声をかける。 「あの貼紙の犯人が、わかったから。松本先輩に嫌がらせしたやつもね!」 ボケッとすんな、クズッ!!と怒鳴り、わたしは走り出す。その背後から、もっと怒鳴って!!とせがむ、キモイ昌平の声が追いかけてきた。 …………ちくしょー!! 絶対、ゆるさないッ!! 負けないんだからねぇ〜〜〜〜ッ!! わたしは猛スピードで廊下を駆け抜けていった…………。 ****** 鼻息を荒くして教室にたどり着くと、 なにやら騒然としていた。 悲鳴じみた生徒たちの声が、教室から何重にも響いてくる。 . 前へ |次へ |
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