《MUMEI》

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義仲はほほ笑んだまま、3年生たちを見つめて、言った。


「…捜す手間が省けて、ラッキー」


突然現れた義仲にビビりながらも、3年生たちは、なんだコラ!と大声で凄んだ。


「なんで俺らの名前、知ってんだテメェ!!」


素朴な質問に義仲は笑顔を崩さず、答えた。


「保健室のノートに書いてあったよ。ナベちゃん、メモってたからね」



…………そういえば、


ナベちゃん、こいつらのクラスと名前、聞いてた。


それに、帰り際、

義仲、そのノートにキャバクラの番号がどーのって、



…………まさか、あのときチェックしたの?



抜かりないな…と、わたしは感心したような呆れたような目を、義仲に向けた。

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