《MUMEI》 . わたしがウンザリしていると、 ハッと我に返った3年生たちが、 逃げ腰になりながらも、果敢に義仲を睨みつけた。 「ふ、ふざけんな、このクソガキ!!」 「ぶっ飛ばすぞッ!!」 「1年のクセに、生意気なんだよッ!!」 わああぁぁぁっ!!と声をあげて、こちらに突っ込んでくる。 義仲はわたしの身体を、安全な端の方へ押しやると、 いきなり、持っていたかばんを、その一群に投げ付けた。 顔面にかばんがぶつかった男は、勢いあまって後方へのけ反りながら倒れた。その後ろにいた男も、そのまた後ろの男も。 重なり合うように倒れ込んだ3年生を見下ろして、義仲は、あーあー、と呆れたようにため息をつく。 「マトモにケンカも出来ねークセに、意気がるんじゃねぇよ」 −−−バキッ! 低い声で呟いてから、一番手前で倒れていた男の頭めがけて、サッカーボールキックをかました。 蹴られた男はピクリとも動かない。 その様子を見て、みんな顔が真っ青になったて黙り込んでいた。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |