《MUMEI》

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わたしがウンザリしていると、

ハッと我に返った3年生たちが、

逃げ腰になりながらも、果敢に義仲を睨みつけた。


「ふ、ふざけんな、このクソガキ!!」


「ぶっ飛ばすぞッ!!」


「1年のクセに、生意気なんだよッ!!」


わああぁぁぁっ!!と声をあげて、こちらに突っ込んでくる。

義仲はわたしの身体を、安全な端の方へ押しやると、


いきなり、持っていたかばんを、その一群に投げ付けた。


顔面にかばんがぶつかった男は、勢いあまって後方へのけ反りながら倒れた。その後ろにいた男も、そのまた後ろの男も。

重なり合うように倒れ込んだ3年生を見下ろして、義仲は、あーあー、と呆れたようにため息をつく。


「マトモにケンカも出来ねークセに、意気がるんじゃねぇよ」



−−−バキッ!



低い声で呟いてから、一番手前で倒れていた男の頭めがけて、サッカーボールキックをかました。

蹴られた男はピクリとも動かない。

その様子を見て、みんな顔が真っ青になったて黙り込んでいた。


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