《MUMEI》 . 義仲はユラリと身体を反転させ、 最後のひとりを、睨みつける。 冷え切った、義仲の、その凄みのある目に、 ひとり残った男は、ガタガタ震えだした。 義仲は男を睨み据えて、呟いた。 「どーいう経緯があったか、知らないけどさー」 それから義仲はニッコリした。とびきりの氷の微笑だ。 瞬時に空気を凍らせて、彼は言う。 「複数で女の子を襲うなんて、ちょっと、ヤバイでしょー。エグイよねぇ…」 3年生は、後ずさりながら、首を横に激しく振った。そして、わたしを指差して、大声で喚いた。 「そんなオンナ、お、襲われて、当然だろっ!」 わたしは眉をひそめた。 …………なんですとっ!? . 前へ |次へ |
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