《MUMEI》

地区予選を見事1位で通過し、
地域予選へ突入した俺達。


士気も上がり、
皆はいつにもましてやる気十分といった感じだ。


俺はいつの間にか、
倉木さんと同じオフェンスになっていた。


チーム編成でコーチからそう言われた時、
先輩は自分のことのように嬉しがったものだ。


俺も一番近くで先輩とプレー出来ることが、
何より嬉しかった。


監督の推理通り、
俺達のコンビネーションは抜群だった。


俺達本人自身も薄々感じていたことだが、
上手い具合によくパスが繋がる。


それに言葉に出さなくても、
次に取るべき行動が互いに分かっている。


同じ出身国同士なのも関係しているのかもしれないが、
この頃の俺と倉木さんはお互いを兄弟と思い込んでしまう程の仲だった。


ゆえに互い考えていることが、
今では手に取るように分かるのだ。


チームの支えも勿論必要としていたが、
殆どが先輩と俺の独断プレーにより勝敗が決まっていった。


更にまた、先輩と俺はチームの要となっていった。

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