《MUMEI》 . わたしから目を背けて、カタカタ震えている金井さんを、冷たい目で見つめた。 「金井さん」 凜とした声で、名前を呼ぶと、 彼女はビクリと肩を揺らした。 金井さんは、ゆっくり顔をあげて、わたしを見つめ返す。怯えきった目だった。顔色も、すこぶる悪い。 そんな彼女に、わたしは、とびっきりキレイにほほ笑んでみせる。 「昨日はステキな『サプライズ』を、どうもありがとう☆」 ホントにびっくりしちゃったぁ〜、と付け足すと、金井さんは引き攣った笑顔を浮かべて、そ、そんな…とモゴモゴ呟いていた。 「わ、わたしは、た、頼まれただけだし…べ、べつに…」 「なんで、あんな回りくどいコト、したのかな?」 「………な、なんのこと??」 ドモリながらも、金井さんはどこか余裕の表情を浮かべていた。 …………シラを切るつもりね……。 なら、こっちも作戦変更するわよ。 . 前へ |次へ |
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