《MUMEI》 彼の好きな小説. わたしは笑顔で、彼女の顔を見つめたまま、そういえば…と話を変えた。 「さっき昇降口でね、偶然、松本先輩に会っちゃってェ!」 もちろんウソだ。 『バケモノの正体』を暴くための、寸劇。 きっとこのネタが、一番、破壊力があるはず。 予想通り、金井さんは、えっ??と声をあげ、驚いたように目を丸くする。わたしはニコッと笑った。 「あんな貼紙、気にするコトないよ!って、励ましてくれたの〜!!優しいよね!貼紙、クソくらえ!って思ってたけどォ、おかげで親密度アップしたカンジ!!」 わたしのはしゃいだ声に、金井さんは呆然としていた。確実にダメージをくらっているようだ。 わたしは内心、ほくそ笑む。 …………そろそろ、 『正体』、暴きますか。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |