《MUMEI》 . わたしはもう一歩、近づく。 「先輩が、今まで付き合ったオンナを陥れたのも……昨日の貼紙も、あんたの仕業なんでしょう?」 彼女は首を必死に振った。 わたしは彼女の涙目を睨みつけ、言った。 「謝るなら、今よ」 ピシャリと言ったあと、 ニヤリと笑ってみせた。 「…謝っても、ゆるさないけどね☆」 わたしの気迫に怯えたのか、 次の瞬間、金井さんはわたしの脇をすり抜けて、教室から逃げ出した。 わたしは鬼の形相で振り返り、 「待たんか、金井ぃぃぃぃぃいっ!!」 大声で叫びながら、猛スピードで追いかけた。 金井さんは身体を揺らしながら、必死に走っている。 その丸い背中に向けて、わたしは怒鳴った。 「よくも、あんな貼紙してくれたなぁッ!!ヒトのこと、ヤリマン呼ばわりしやがってェッ!!」 わたしは足を思い切り踏み切って、 ジャンプした。 . 前へ |次へ |
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