《MUMEI》

.

顔面の痛みに悶絶する金井さんは、わたしを恨めしげに睨みながら、唸るように言う。


「ほ、ホントに殴ったわね!!この、ひとでなしッ!!」


喚く彼女を冷めた目で見下ろして、




「黙れ、ブス」




と、はっきり言ってやった。

金井さんは涙を流しながら、ヒドイッ!とわたしを批難する。


「ブスなんて…!!わたしだって、痩せたら」


「痩せてみなさいよ」


言いかけた台詞を、わたしは遮る。

金井さんはグッと黙り込んだ。わたしは彼女を睨みながら、つづける。


「そこまで言うなら、痩せたらどう?ぜひぜひ見てみたいわぁ〜、あんたが大変身したトコ」


悔しそうにしている彼女に、わたしは極上のほほ笑みを見せて、

高らかに言った。


「このまま、あんたは一生ブスのまま!性根が腐ってるからね!!そんなんじゃ、松本先輩どころか、だれにも相手にされないよ!!」


わかったら出直してきなッ!!と高飛車に笑った。

.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫