《MUMEI》

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金井さんは大粒の涙を流しながら、ユラリと立ち上がり、ノロノロと廊下を歩き出す。

その背中に、


「…オイ」


わたしは声をかけた。金井さんはビクッと身体を揺らし、恐る恐る振り返る。

その怯えきった目を睨み据えて、

言い放った。


「二度と、ガキくさい小細工すんじゃないよ。次、やったら、地獄の底まで追い詰めてやるから」


立ち直れないくらいにネ☆と、笑顔を見せると、

金井さんは顔を引き攣らせて、一目散に逃げていった。



…………フン!


根性ナシめ!



わたしが勝ち誇っていると、

周りにいたクラスメイトたちが、わああぁぁぁっ!!と大歓声をあげた。


「すっげー、今の!!」


「片倉さん、カッコイイッ!!」


「つーか、サセコって言ってゴメン!!」


「金井のヤツぅ〜!!絶対、シメるっ!!」


「姐御って読んでもイイっすかっ!?」





…………はあっ!??





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