《MUMEI》 . 金井さんは大粒の涙を流しながら、ユラリと立ち上がり、ノロノロと廊下を歩き出す。 その背中に、 「…オイ」 わたしは声をかけた。金井さんはビクッと身体を揺らし、恐る恐る振り返る。 その怯えきった目を睨み据えて、 言い放った。 「二度と、ガキくさい小細工すんじゃないよ。次、やったら、地獄の底まで追い詰めてやるから」 立ち直れないくらいにネ☆と、笑顔を見せると、 金井さんは顔を引き攣らせて、一目散に逃げていった。 …………フン! 根性ナシめ! わたしが勝ち誇っていると、 周りにいたクラスメイトたちが、わああぁぁぁっ!!と大歓声をあげた。 「すっげー、今の!!」 「片倉さん、カッコイイッ!!」 「つーか、サセコって言ってゴメン!!」 「金井のヤツぅ〜!!絶対、シメるっ!!」 「姐御って読んでもイイっすかっ!?」 …………はあっ!?? . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |