《MUMEI》 《約束》. 彼は自嘲気味に笑い、つづけた。 「俺ン家、フツーじゃないし。イヤになるよな。璃子ちゃんが言った通り、この先、もっとあぶねーコト、いっぱいあるだろうしさ」 わたしはゆっくり瞬いた。 まだ俯いている、彼の、その長い睫毛を見つめながら、 でも………、と呟いた。 「そのときは、あんたがわたしを助けてくれるんでしょ?」 わたしの台詞に、 義仲はゆっくり顔をあげた。 ビックリした彼の顔を見つめて、 わたしは、 柔らかくほほ笑んだ。 「まえに屋上で、言ったじゃん。わたしがピンチのときは、助けてくれるって」 男に二言はないのよね?と、念を押してみると、 ぽかんとしていた義仲が、 いきなり吹き出して笑った。 . 前へ |次へ |
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