《MUMEI》

「何よ、あたしに隠し事?」

「いやっ、もうちょっと後になったら教えるから」

「『もうちょっと後』って?」

「来年の‥春位」

「全然『もうちょっと後』じゃないじゃない」





‥ツッコまれてしまった。





「ていうか何で春まで待たなきゃな訳?」

「うっ‥」





那加がいる前で頼むべきじゃなかったな‥。





「──とにかく、春まで待って‥頂けないでしょうか‥?」

「──‥しょうがないんだからぁ」





渋々、那加は納得してくれた。

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