《MUMEI》 「もう帰るの? 実音ちゃん」 「ぁ‥ごめん、これから──」 「もしかしてデート?」 コクッ、と鳥居さんが頷く。 「じゃ、早く彼氏のとこ行かなきゃね〜」 嬉しそうに言う那加。 「ほらっ、遅れるわよ?」 「うん、ぁ‥ありがと那加ちゃん。──榛野君もありがとうございます」 鳥居さんは、俺にまでお礼を言ってくれた。 そして、 「また来ますねっ、今度は斉藤君も一緒に」 ペコッ、とお辞儀をして、帰って行った。 前へ |次へ |
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