《MUMEI》
プロローグ
「お嬢様、それはいけません」







…まただ。


ただ外へ出ようとしただけなのに、いつも'それはいけません'って止められる…。





何で、お嬢様は一人で外出しちゃいけないの?



何で、お嬢様は皆のようにスポーツをやっちゃいけないの?





こんなつまらない世界しか知らないなんて、絶対損だ。




だって、小さい頃から住んでるこの屋敷内の世界しか知らないもん。






普通の学校に通いたいっていう願いも聞き入れてもらえず、入学させられたのは有名私立のお嬢様学校。




だから、学校に行ったって広がってるのは自分と同じように育ったお嬢様のつくる世界だけ。



お嬢様だけの学校なんて、なくなっちゃえばいいと何度思ったことだろう。












こんな世界を変えてくれるなら他には何も望まないのに…。

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