《MUMEI》 夜を歩く夜を歩くのが好き。 夏なら薄手の、 カーデガンをはおって。 冬なら黒い、 ブーツを響かせて。 ゆっくりと。 でも、大股で。 空を仰ぎながら。 月の光を浴びて。 田舎育ちだから。 夜は優しいものだと、 思っていた。 畦道の、草の香りは。 夏の暑さも耐え凌ぎ。 冬の寒さも耐え凌ぎ。 大地の下で息づいてると。 いつも、いつも、 伝えてきたのに。 この街では無言のまま。 アスファルトに。 踏み潰されている。 時に、 還りたいと思う故郷は。 遥か遠くに、 佇むばかりで。 名残の景色を、 写真に残す。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |