《MUMEI》

おでん君「…いらっしゃい…。」



屋台の暖簾をくぐり、ベージュのコートに身を包んだ人物が、食パンマンの右隣に座った。



食パンマンは突然の相席を強いられた後客に、思わず顔をしかめる。



女物のキツイ香水の匂いが、おでんの香りと喧嘩を始めていた…。



女性「えーっとね〜、はんぺん、結び白滝、大根、卵、厚揚げ…


…それと、ビールを戴こうかしら…(笑)」



注文した声は、愛敬ある女のものだった。



その声に食パンマンは、ふと顔を上げる…。





…聞き覚えのある声だった…。

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