《MUMEI》
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[…お前たちは危険な呪術の資料があるために
出入り禁止だ、と言われている図書室に…忍び込んだね?]
ジンは黙って頷く
[そして警備の者に見つかっても、逃げ出さなかった]
「…はい。罰則が、あれ程厳しいものだとは…」
[知らなかった]
フルアが瞳を閉じ
言葉を引き継いだ。
リツは二人を見較べるように眺めている。
[お前たちが図書室に忍び込む以前に、一番最近図書室に侵入者があったのは五十年前…その者たちも守校の生徒だった。]
「…五十年、前……」
呟くジンを見つめ直し
[無知から、勇気が生まれることもある。逆に、勇気無き者は無知でいては生きていけない]
フルアは両手で
ジンの顔を包む
そして
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