《MUMEI》

.

クラスが一瞬、静まり返る。

そして、


「はあッ??」


「交換留学生!?」


「なにそれ!?いきなりすぎでしょっ!!」


「そんな話、始業式でもしてなかったじゃん!?」


一気にざわめきだしたクラスメイトたちを、おじいちゃんは、静かに〜と、たしなめる。


「急に決まったので、アナウンス出来ませんでした」


おじいちゃんの適当な言い訳に、クラスメイトたちは、なんだそれー!!と一斉に非難する。


「そんなんで、この学校、大丈夫なのかよ!?」


「急に決まってって、ずいぶん適当だなァ!」


「つーか、だれと交換したんだよ!」


ガヤガヤ騒ぐ彼らを見て、おじいちゃんは肩をすくめる。


「そんなんでも、この学校は大丈夫です。適当じゃなくて、先方とは何度も何度も、話し合いをしました。だれと交換したかは、よくわかりません」


律儀なことに、すべてのヤジに答えてくれた。すべて、適当だけど。


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