《MUMEI》 . おじいちゃんの言葉を聞いて、隣の席の義仲がニヤリと笑う。 「それって、『大人の事情』かァ?」 …………ああ、 黒いカネの臭いがする……。 義仲の発言に、わたしはウンザリした。 おじいちゃんは義仲の顔を見て、詳しくは話せませんと、とても曖昧に言ったので、義仲はチッと舌打ちした。 おじいちゃんはやれやれと肩をすくめて、みんなに向き直り、とにかく、と声を改める。 「このクラスに、その留学生を受け入れることが決まりました。決まっちゃったので、もう諦めてください」 そのことに、わたしはなんとも思わなかったけれど、みんなは違ったようだ。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |