《MUMEI》

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おじいちゃんの言葉を聞いて、隣の席の義仲がニヤリと笑う。


「それって、『大人の事情』かァ?」



…………ああ、


黒いカネの臭いがする……。



義仲の発言に、わたしはウンザリした。

おじいちゃんは義仲の顔を見て、詳しくは話せませんと、とても曖昧に言ったので、義仲はチッと舌打ちした。

おじいちゃんはやれやれと肩をすくめて、みんなに向き直り、とにかく、と声を改める。


「このクラスに、その留学生を受け入れることが決まりました。決まっちゃったので、もう諦めてください」


そのことに、わたしはなんとも思わなかったけれど、みんなは違ったようだ。


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