《MUMEI》 . 昌平は、意気揚々と椅子から立ち上がり、いつになく真面目な顔をして、言った。 「そのひと、女の子ですか!?」 ヤローだったら他のクラスにしてくださいッ!ときっぱり発言したことに、一同呆れた。 対しておじいちゃんは昌平の質問に、深々と頷く。 「女の子ですよ。しかも、とびきり美人な」 その返事に、 うおぉぉぉっ!!と、男子たちが沸き上がる。 「美人??美人って言った!?」 「どこの国のひと!?何語話すの!?俺、勉強すっから!!」 「キンパツ美女希望!!」 先程のシラけた空気はどこへやら。 男どもは手の平を返したように、一斉に質問を投げる。 …………この愚か者たちがッ! 完全無欠の美少女が、ここにいるっつーのに 素性の知れない留学生に、熱をあげるなんて!! 面白くないわたしは、フンと鼻を鳴らす。 それからチラリと隣に目をやった。義仲の反応が気になったのだ。 . 前へ |次へ |
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