《MUMEI》
ミステリアスガール
.

彼は、留学生の話にあまり興味がないようで、机に突っ伏して眠りこけている。



…………まぁ、


コイツは、こんなだし、


心配することないか。


なんてったって、


学園のマドンナである、このわたしが、


カノジョなんだからねッ!!



そんなことを考えつつ、ひとりでニヤッと笑う。


おじいちゃんは興奮しきった男子たちを静めてから、ドアの方へ呼びかけた。


「どうぞ、入ってくださ〜い」


一同が息をのんで静まり返り、

そのドアに注目する。


おじいちゃんの弱々しい声のあと、

ゆっくりと開かれた、ドアの向こう側から現れたのは………。



華奢な身体つき。

透き通る白い肌。

長く、艶のある黒髪。

漆黒を思わせる、謎めいた双眸。


颯爽と教室へ入ってきた、そのファッションモデルばりの長身美女に、みんな、目を奪われた。

彼女の纏う雰囲気は、どこか浮世離れしていて、それが彼女のミステリアスさを、より一層引き立てていた。


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