《MUMEI》

あの日以来、アイツはずっとここに居座っとる。


居候て訳やないから‥まぁええねんけどな?


毎日仕事はちゃんとしてくれるし、強引にやけど、気ぃ利かしてくれるし──執事的には申し分あらへん。


せやけどあの性格には参ったわ‥。


命令してくるんやもん。


従っとるあたしもあたしやけど。


──何で執事に従っとるんやろ。


アイツは執事やのに。


主人はあたしやのに。


「〜〜〜‥」


あたし‥アイツの事どない思てるん?


『そろそろお気付きになりませんか?』


分からへんよ、そんなん‥。

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