《MUMEI》

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おじいちゃんに促されて、彼女はわたしたちの方を見回し、

それから、口を開いた。


「ジョウサン(こんにちは)。《李 春蘭》といいマス。英語はOK。日本語、よくわからナイ。でも、ガンバル」


そこまで言って、

春蘭さんが、最後にニッコリほほ笑むと、

怒涛のような男どもの雄叫びが、教室に沸き起こった。


「生きててよかったー!!」


「神サマ、ありがとうっ!!」


「春蘭さん!俺のこと、下僕と呼んでくださいっ!!なんでもします!!」


「あっ!俺も俺も!!」


ギャアギャア叫ぶ男どもを見て、春蘭さんは嬉しそうに笑う。


「香港では、日本男児、コワイと聞いていました。でも、みなさん、優しいデスネ。とてもユニーク」


春蘭さんはニコニコして、穏やかに答えた。それを見た男どもの興奮は、最高潮に達する。


「そうですよ!日本男児はジェントルマンなんです!!」


「それに世界イチ、ユニークですよ!落語、大喜利、大好きですもん!!」


調子に乗って、適当なことを抜かし出す。


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