《MUMEI》

.

隣にいる春蘭さんは、キョトンとした顔をわたしに向けたが、すぐに聖母のようなほほ笑みを浮かべて、


「ハイ」


と、のたまう。


すると、

今まで黙り込んでいた男子たちが、一斉に騒ぎ出す。


「冗談だろ、オイッ!!」


「また櫻井かよッ!」


「片倉さんだけで飽きたらず、春蘭さんまで!!」


「夢だ!これは夢だ!!」


喚き散らす彼らの声の中、

めまいがした。



…………そんな、バカな!



青ざめているわたしをよそに、春蘭さんはおじいちゃんへ振り返ると、わたしの方を指差して、無邪気に言った。


「わたし、ヨシナカの隣!ここ、座りたい!」



……………は?


『ここ』って、


わたしの席!?



.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫