《MUMEI》
負け犬、万歳!
.

それを傍観していた、男子たちが、


「片倉さん、ちょっと言い方キツイよ!」


「そーだそーだ!」


「春蘭さんをいじめるな!かわいそーだろ!」


「席くらい変わってやれよー!」


わたしに攻撃を仕掛けてくる。



…………なんてこった!!


なぜか一転、


わたしが悪者にッ!


それに、この状況、


席ごときに必死になって、


まるで余裕ナイみたいじゃない!カッコ悪ッ!!



非難の声を聞き、見えっ張りなわたしは理不尽な怒りをグッとこらえて、


精一杯、引き攣り笑顔を浮かべた。


「………と、思ったけど、今日はわたし、機嫌が良いから、特別に譲ってあげるわ」


わたしの言葉に、春蘭さんは表情を輝かせた。


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