《MUMEI》 . 彼女はわたしの手をとり、サンキュー!と言う。 「やっぱり、大和撫子ね。あなた、ホントは優しい」 無邪気な彼女の声に対して、わたしは必死に笑顔を作っていたけど、ホントは腹わたが煮え繰り返るほど悔しかった。 …………ちくしょう!! この借りは必ず……! 悶々としながら、わたしが席を移動するために荷物をまとめていると、 「璃子」 隣の義仲から、声をかけられた。 わたしはハッとして振り返る。 …………そうよね!! 義仲も、イヤだよね!ワケわからんオンナが隣じゃ! こんなキレイなカノジョと離れるのも、 寂しいわよね! ズバリ言ってやって!! 『隣は璃子が良い』って!! . 前へ |次へ |
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