《MUMEI》

.

義仲はわたしのことを真剣な眼差しで、じっと見つめてから、

淡々と言った。



「話す声、デカすぎ。うるさい」



………。

……………。

…………………はぁッ!?



しばし呆然とするわたしに、

春蘭さんは、ニコッとほほ笑みかけた。


「ここ、OKね!アリガト!」


そう言って、義仲の隣にフワリと腰掛けた。
義仲は大きなあくびをして、また机に突っ伏す。

信じられない気持ちでいっぱいになっていると、

おじいちゃんが淡々と言った。


「じゃあ、片倉さん、早く席を移動してください。さっさと授業を、始めたいので」


わたしはおじいちゃんを思い切り睨みつけた。



…………このジジイ!


いつか絶対、あの世に送ってやる!!



散々念を込めてから、わたしはズカズカと窓側の席へ移動したのだった。





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