《MUMEI》 . ソウさんは、わたしの目を見て、 にっこり笑いかけると、 こう、言った。 「じゃあ、同じだね」 …………え? 『同じ』って、 どういうこと…? ハテナ顔のわたしに、ソウさんは、愛おしむようにフワッと笑うと、わたしの耳元に顔を寄せてきた。 そうして、甘く切ない声で、囁くのだ。 「俺も、キミと、仲良くなりたい」 頭の中が、真っ白になる。 《わたしと、 仲良くなりたい》……、 …………って、 ソウさんが?? 「うそッ!!??」 真っ赤な顔をして、つい、素っ頓狂な声をあげたとき、 「居たッ!!」 バタバタと、慌ただしい足音と、 息せき切った、女の子の、声。 わたしが振り返るのと同時に、『彼女』が叫ぶ。 「寧々から、離れなさいよ!!」 『彼女』はわたしのもとへ駆け寄り、そしてソウさんの腕を乱暴に振り払った。 . 前へ |次へ |
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