《MUMEI》

.

ソウさんは、わたしの目を見て、


にっこり笑いかけると、


こう、言った。





「じゃあ、同じだね」





…………え?


『同じ』って、


どういうこと…?





ハテナ顔のわたしに、ソウさんは、愛おしむようにフワッと笑うと、わたしの耳元に顔を寄せてきた。


そうして、甘く切ない声で、囁くのだ。


「俺も、キミと、仲良くなりたい」



頭の中が、真っ白になる。



《わたしと、


仲良くなりたい》……、


…………って、


ソウさんが??



「うそッ!!??」



真っ赤な顔をして、つい、素っ頓狂な声をあげたとき、





「居たッ!!」





バタバタと、慌ただしい足音と、

息せき切った、女の子の、声。


わたしが振り返るのと同時に、『彼女』が叫ぶ。


「寧々から、離れなさいよ!!」


『彼女』はわたしのもとへ駆け寄り、そしてソウさんの腕を乱暴に振り払った。


.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫