《MUMEI》
『有名人』と『超危険人物』
.

わたしは『彼女』の顔を見て、驚く。


「巴ッ!?」


駆け付けてきたのは、巴だった。
巴は物凄い剣幕で、ソウさんを睨みつける。


「触らないで、汚らわしいッ!!」


わたしの身体を庇うように立ち塞がり、金切り声で叫んでから、ソウさんを見つめ、眉をひそめた。

そして、目を見張る。


「あんた…」


呆然と呟いて、青ざめた。

巴は、小刻みに唇を震わせて、彼を指差し、大声で言ったのだ。



「真田 宗一郎ッ!?」



………??


『サナダ ソウイチロウ』?



だれ?と尋ねるまえに、ソウさんがにっこり笑った。


「俺のこと、知ってるんだ?」


顔は笑っていたけど、声は驚くほど落ち着いていた。

それが、少し、怖い。


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