《MUMEI》

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その美貌の顔をジンに近付けた



「…なっ!」

リツは



ジンに寄るフルアに飛び掛かりそうに動きかけた体を

必死に押さえ込んだ








フルアは



今にもジンと鼻がぶつかりそうなくらいの所まで

近づき(止まった瞬間リツが安堵の息を洩らした)



目を細める



[私は六千五百十七年、この世界を見て来た]



ジンの深黒と紫水晶の瞳が
フルアとの近さに戸惑い、揺れ



[声を代償に、地球《この星》でも生きていける体を…手に入れた]





「この星…?」

リツの眉間に

疑問の縦線が走った

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