《MUMEI》
ゲーム
時間は刻々と過ぎていき、夕食も食べ終り、盾が桜を二回目の散歩に連れて行った頃。
俺と帝は、俺の部屋にいた。

「暇じゃない?」

最初に切り出したのは帝。
俺は確かに。と頷く。

「どっか行く?」

帝が言うので、壁に掛けてある時計に目をやればもう九時半を回ってる。

「どっかってコンビニくらいしかなくないか?」

俺が言うと、今度は確かに。と帝が相槌をうった。

「ゲームでもすっか。」

俺は立ち上がって、テレビゲームを押し入れから取り出す。

線をテレビに繋いで、コントローラーをゲーム機本体に二つ繋ぐ。

そして、一つを帝に渡し、カチカチとコントローラーを駆使して、色々と設定していく。

「剣。このキャラこっちとこっち、どっちが良いと思う?」

そう言って俺に見せてきたのは、剣を持ったキャラクターと、槍を持ったキャラクター。

「俺のおススメは剣の方。」

テレビを指差すと、帝はまた、カチカチとコントローラーをいじって、俺の言った剣の方のキャラクターを設定していた。


ゲームのオープニングが始まって、無意味だ。とは思いつつも、俺たちはスタートボタンを連打していた。

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