《MUMEI》 「使い魔?」 「そうか、言って無かったな。」 グレイドはバルトンの頭を撫でながら言った。 「この世界に住む、 俺達種族に飼われている動物を総称して“使い魔”、 と言うんだ。」 「へぇ…。」 「んで、バルトンは俺のお気に入り。 攻撃能力も高いし、 スピードもある。 乗り心地も最高だしな。」 バルトンはグレイドに撫でられて、 気持ち良さそうに目を閉じている。 「で、そんなバルトンのいる罠に掛かったお前は……。 運がいいと言うか、 悪いと言うか……。」 グレイドは苦笑しながら俺を見る。 「この家が、罠多すぎるんですよ。」 俺はムッとして答えた。 幾らなんでもこの家は酷い。 数歩進んだだけでこの様だ。 これから先、 この家にお世話になるのかと思うと……。 正直、気が重い。 「まあそんなムキになんなよ。」 グレイドは高笑いをすると、 天井の扉に目を向けた。 「行くぞ。 早く話を終わらせたい。」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |