《MUMEI》 . わたしはサラッと髪の毛をなびかせて、勝ち誇ったように笑った。 「席が離れたくらいで、どーにかなるような関係じゃないしね!」 自信たっぷりのわたしに、いつの間にかひょっこり現れた昌平が、おっと余裕の発言!と茶化したのでビックリした。 驚いているわたしと千影を無視して、彼はつづけた。 「さすが彼女!目に見えない強い繋がりを感じさせるねー!」 昌平がからかったことに重ねて、千影が、そういえば、と尋ねる。 「一体、どっちから告ったの?」 その質問に、わたしは眉をひそめる。 「告った??」 昌平も大きく頷き、腕を組んで言った。 「それは俺も気になってた。璃子ちゃんも義仲も、そんなロマンチストじゃねーのに、なにがどーやって付き合うことになったのかなって」 千影はうんうん、と頷く。そして、わたしの顔を見た。 「どっちから、好きって言ったの?」 …………『好き』って…。 . 前へ |次へ |
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