《MUMEI》
カレカノの方程式
.

わたしは数回瞬きをして、

淡々と答えた。


「どっちも言ってないよ」


数秒間の沈黙のあと、

はっ!?と、大声をあげ、千影と昌平は目をむいて、わたしに詰め寄った。


「なにそれ!?言ってないって、どーいうこと!?」


「付き合ってんだろ!?」


わたしはふたりの剣幕にビビりながらも、頷き返した。


「付き合ってるけど、そーゆーコトは言ってない」


わたしの返事に、彼らは顔を見合わせてヘンな顔をした。

それから、千影が堅い声でわたしに言う。


「…それって、ちょっと曖昧すぎない?」


千影の意見に昌平も同意した。


「マジで、付き合ってんの?」


疑いだした彼らにムッとした。わたしは、付き合ってるよ!と反論する。


「途中まで登下校だって一緒だし、チューだってしたし(無理やり)」


わたしの返事に、千影はヘンな顔をした。


「電話とかメールは?」


わたしは首を横に振る。


「毎日学校で会うから、必要ない」


今度は昌平がヘンな顔をした。


「休みの日にデートしないの?」


わたしはまた首を横に振る。


「しない。休みは休むためにあるんじゃん」


わたしの回答にふたりは呆れたような顔をした。


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