《MUMEI》
一本負け??
.

「じゃあ、なんなの?」


わたしが恐る恐る尋ねると、千影は少し考え込むようにして、答えた。


「…強いて言えば、保護者?」


「保護者!?」



…………全然、ラブくないッ!!



わたしが衝撃を受けていると、昌平が肩をすくめて笑った。


「璃子ちゃん、ヤバイんじゃない?フィアンセとか現れちゃって。勝ち目ナシ?」


昌平の言葉に、わたしはギロリと物凄い目を向けた。


「勝ち目ないわけないじゃん!!どー見たって、わたしの方がカワイイし!」


精一杯の強がりにも、昌平と千影は首を傾げて、それから言った。


「考えてもみてよ」


千影はわたしの机に置きっぱなしだったノートに、書きはじめた。



『フィアンセ>>>>保護者』



わたしはその文字を見つめてから、千影を見上げた。彼女は同情するような顔をして、呟いた。


「どー見ても、勝ち目ナシだと思うけど」


その隣で、昌平が、璃子ちゃんの一本負け!!とはしゃいだ。



.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫