《MUMEI》
繋がった先
その後、俺の体調を心配する柊を何とか誤魔化し、早めに帰した。


(一応、かけてみるか)


俺は、昨日別れた忍に電話をかけてみた。


《もしもし》

「…え?」


電話に出たのは忍では無かった。


(何で、

何で、…壱子ちゃんが出るんだ?)


《もしかして、祐也?》

「うん」


混乱する俺に対して、壱子ちゃんは落ち着いていた。


そして、壱子ちゃんは


忍から、携帯が送られてきた事


俺からの報告や、電話は


今度は、普通に壱子ちゃんが受ける事を説明した。


「何で、そんな事に…」

《『祐也は女の子に免疫無いからよろしく』って頼まれたの。

だから、よろしくね》


(忍が言ってた『ままごとみたいな恋から』って、…これか?)


確認したくても、俺と忍の繋がりは、もう切れていた。


《祐也?》

「…わかった。ありがとう」


(どうせ、報告癖付いてるし)


俺は、それから毎日壱子ちゃんに報告メールをした。


壱子ちゃんからも、お返しの報告メールが来た。


『純情カップルの交換日記』


周りは、俺達のやりとりを、そう表現していた。

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