《MUMEI》 . わたしは義仲の方をチラリと見遣る。 彼は相変わらず自分の席で眠りこけていて、隣の春蘭さんに関心がないように見えた。 …………大丈夫。 アイツが、あんなひとになびくなんて、 天地がひっくり返っても、 あ・り・え・な・い!! そうやって思い込んで、わたしは自分自身を励ました。千影と昌平はまた顔を見合わせて、肩をすくめていた。 ****** −−−放課後。 帰りのショートホームルームが終わると、義仲がわたしの席にやって来た。 「一日、勉強すると疲れるよなァ」 大きく伸びをしながら呑気に言う彼を、軽く睨む。 「あんた、勉強してないじゃん。寝てただけじゃん」 意地悪く訂正すると義仲は、そうだなー、と軽く笑った。 そして、一緒に帰ろ、と声をかけてくる。 その台詞を聞いて、思わず笑みを浮かべる。 …………ほぅら、見なさい!! こうやってかいがいしく、 毎日毎日、誘ってくるのよ!! これのどこが、カレカノじゃないって!? . 前へ |次へ |
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