《MUMEI》
なにものッ!?
.

わたしは笑顔で義仲に頷き返し、荷物をまとめていると、

突然、声が聞こえた。


「ヨシナカ!」



……………ん??



わたしと義仲が同時に振り返ると、

そこに、ニコニコした春蘭さんが立っていた。

彼女は悪意のない笑顔を浮かべて、義仲に言う。


「わたし、道、わからナイ。お願いありマス」


ココに連れていって、と一枚のメモを見せる。わたしと義仲は自然とそれを眺めた。


そこには、有名なホテルの名前が書かれていた。



…………ここって、


確か、一泊ウン十万とか、


よく、テレビで特集されてる


超高級ホテルじゃんッ!!


つーか、


留学してる1ヶ月間、


リッチにホテル住まいなんて


こいつ、一体何者ッ!?



.

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