《MUMEI》 . それを目撃したクラスメイトたちは、わたしに白い目を向ける。 「あの言い方、酷くね?」 「春蘭さん、落ち込んでるじゃん」 「片倉さんて、冷たいんだなー」 ヒソヒソと聞こえてくる非難の声。 わたしはハッとした。 …………ちくしょうッ!! また、はめられたァ!! オロオロしているわたしの傍で、義仲はまだホテルの名前が書かれたメモを見つめていた。 わたしは義仲を見つめる。 …………こうなったら。 わたしは春蘭さんに顔を向け、ニッコリした。 「義仲は、わたしと一緒に帰るの。だから春蘭さんは、ひとりでタクシーで帰って。ごめんなさいね」 ね、義仲!?と、彼に話を振った。こうなった以上、義仲にはっきりキッパリ、言ってもらわなきゃ、収拾がつかない。 ……………さあ! ばっさり、言っておやり!! . 前へ |次へ |
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