《MUMEI》 . わたしは、いまだニヤついている義仲をギロリと睨みやり、 大声で、はっきり、言ってやった。 「全然ッ!!」 わたしの怒鳴り声に、 クラスが一瞬、静まり返る。 沈黙の中、 わたしはバタバタと荷物をまとめて、かばんを手に持つと、 最後に義仲を睨みつけた。 「春蘭さんと一緒に帰れば?好きにしなさいよ」 このクズッ!と言い捨てて、ダッシュで教室から走り去った。 ……………あ゙〜〜〜!! もうッ!! あのバカ、なに考えてんのよッ!! ひとの気も、知らないで!! 廊下の角のところまでやって来ると、わたしは走るのをやめた。 そこでゆっくり、後ろを振り返って見たけれど、 義仲は追いかけて来ていなかった………。 …………。 ……………まぁ、 そんなヤツだろーと思ってたわよ。 期待してもいなかったわよ。 でもさぁ…なんつーかさぁ… 心配してくれても、いいじゃん……。 込み上げてくるモヤモヤしたなにかを、ため息に変えて吐き出した。 . 前へ |次へ |
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